奴は突如現れた。なんの前触れもなく、私の前を颯爽と走り去ったのだ。
その走りは誰もが目を見張るほど、速い。あまりの速さに、見失いそうになる。
奴は人間の髪の毛一本で二か月生存できるという。
奴は同姓であっても子孫を残すことができるという。
奴は茶褐色に光沢をもつ体、長い触覚、飛立つための羽がある。
奴の名は・・・G。
「あぎゃあああああああああああ」
私は体を洗い終え、濡れた体を拭くために脱衣所に出たばかりだった。体からしずくが滴るとともに、この世のものとは思えない悲鳴を上げてしまった。
「あぎゃああああ、がぎゃぎゃぎゃああああ」
「どうしたの」
私の悲鳴を聞いた母がリビングから現れた。サイレンのごとく叫んだ私に対し、呆れた表情でもあった。しかしそれは敵の姿を知らないゆえの余裕であろう。
「G!GGGG!G!」
「あらまぁ」
敵を知った母は脱衣所を去り、秘密兵器キ〇チョールを取りに行った。
「何があったんだ」
父までも声を上げる。Gはかさこそと音を立て走り去り、ハンガー入れの中へと身を隠していった。
父よ、Gを殺してくれ、頼む。助けてくれ。私は丸腰だ。武器はおろか、服さえ着ていない。Gに立ち向かうなど到底無理だ。身を守るものがなにもない。なにも・・・
はっ
「お父さん来ないで!私素っ裸!」
助けにきてほしいと願っておきながら、裸を見られたくないゆえに追い返す。父よ、すまない。私も女なのだ。苦渋の決断に涙をのんだ。
「あんた、風呂場に一度戻りなさい。そこに素っ裸で突っ立っていても邪魔なだけ」
丸腰ゆえに私は戦場を逃げるように指示された。正しい判断だ。母よ、あとは任せた。Gを戦闘不能にできるのはあなただけだ。その高すぎる生命力に打ち勝ってくれ。
また、平和な日常が訪れることを願い、そっと目を閉じ、祈りをささげた。
シュー
「おっ、動かなくなったよ。ご臨終になられた」
「えっ」
さすが秘密兵器キ〇チョール。Gの息の根を止めたのだ。
つまり・・・我々は戦いに打ち勝ったのだ。
願っていた平和はまた訪れた。花は咲き乱れ、国民は喜びの声をあげる。日常に戻ったのだ。
「しかし、まだ安心しきってはいけない。奴は一匹現れたら、五十匹隠れているというものだ。奴は・・・Gは・・今・・あなたのそばに・・・いるかもしれない」
そう。まだ戦いは・・・完全には終わっていない。
・・・・・・
・・・・・・
こんにちは、タカハッピーです。
要するに何が言いたかったかというと昨日風呂から出たらゴキが出ました。久々に見たのでめちゃくちゃびっくりしました。服さえ着ていなかったので焦りましたね。
余談ですが高校の友達にゴキが好きな子がいました。見ると「かわいい~!」と言いながら箒でビシバシたたいて殺してましたね。あの子はどういう心境で殺していたのかいまだに謎です。元気にしてるんだろうか。
みなさんも、ゴキには気を付けてくださいね。
それでは、さようなら。