幸せなら手を叩こう

思ったことを徒然なるままに

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。

こんにちは、タカハッピーです。

今日は本を読み終わりました。それがこちら。

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (講談社文庫)

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (講談社文庫)

辻村深月先生の、「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」です。
今回、実は感想を書くか悩みました。というのも、本作の内容はあまりに「地方の大人の女性」のものだったのです。
合コンで知り合った男にプロポーズされるも、それは本心ではなく、裏では違う女と関係を持っていたこと…
母親から虐待とまではいかないものの、深く傷つけられて、心の傷になってしまっていること…
うーーん……
自分の…経験に…絡めにくい…
そもそも、私は合コンに一度も参加したことがありません。そこまでして男の人と付き合ったりしたいのかと思ってしまいます。
それどころか、恋愛経験が全くと言っていいほどありません。男の人と話すと緊張してしまいますし、顔もスタイルも中の下なので男の人に絡まれることもありません。
高校の友達も、大学の友達も、あまり恋愛している感じではないですし、自分も彼女らと同じだし焦ることないか〜まぁいっか〜とのほほんと過ごしていました。
いたのです。
「私ね、こないだ街コンに参加したんだ。そこで知り合った社会人の男の人と連絡とっててね、とっても面白い人なんだー」
えっ。
それは一、二年前のこと。高校の友達が街コンに参加した、ということでした。
街コン。
それは私とは本当に縁遠いものだと思っていたものでした。私は「恋愛をする」ということに憧れてはいたけれど、そういうものに参加する人に対して「そこまでして男と関わりたいのか」と見下しているものでもありました。私の友達も私と同じで、きっと街コンなんてものは、どんなに近づこうとしても近づけない崇高なものでありつつも、男を貪る卑下なるものだと認識してる、ものだと思ってました。
それがまさか参加してるだなんて。
ハッピー「聞いてよ。高校の友達が街コンに参加してたみたいでさ。びっくりしたんだ」
大学の友達「えー?でも○○ちゃんも、よく合コンに参加してるよ?そんな驚くことかな?」
……ええええ!!!
○○ちゃんは、いつもクールで一人でも生きていけそうな子です。周りとつるむというよりか、一匹オオカミタイプ。彼氏が欲しそうには到底思えなかったのですが…
彼氏…欲しかったんだ…
すごくびっくりしました。
そして、その後「焦り」がやってきました。
私は先ほども述べた通り、恋愛経験がほとんどありません。
「こないだねー、彼氏が『俺以外の男と話すな』って言ってきてさー。束縛が激しくて困っちゃうー」
「彼氏の理想が高くて疲れるわ」
時々、女の子は彼氏の愚痴をこぼします。
楽しくない、とは言いません。私もそういう話を聞いて大変だなと思います。しかし、その一方で、「いいな。そんな愚痴が言えて」とどうしても思ってしまうのです。
私には彼氏がいない。男友達も少ない。小中高大全て共学だったのに男の人との接し方がわからず、話しかけることさえできない。化粧や服のセンスもない上に、容姿にも自信を持てず、ただ羨んで、妬んで、卑屈になるだけ。
だから、友達もそのままそうだと思い込んでいました。
けれど、高校の友達も、大学の友達も、積極的に恋人を探しています。それも、楽しそうに。
決してそうではないとわかっているけれど、どうしても裏切りのように思えてしまうのです。
私ばかりが、何も、ないのか。
卑屈になって、外と縁を切って、閉じこもってるだけ。それが一番楽で何も起きないとわかっているのに。どうして自分だけ何もないのか、と思ってしまうのです。

…そういう面では、この本のチエミと気が合うかな、と思いました。

チエミは周りがどんどん結婚していき、子育てを始めていくことに焦りを感じます。周りが近況の話として愚痴をこぼすたびに、「自分には結婚と子育てさえ嘆くことができない」と心苦しく思うのです。
自分ばかりが、何もない。
そして、友達も環境も、自分のことも嫌になってしまうのです。
私も相当卑屈な性格なのでそういうことにはすごく共感できます。周りを妬む分、自分って本当に性格悪いなぁと思うのです。
でも、「結婚して子供をつくる」のが本当に幸せな人生か、と考えると「きっとそうではない」のだと思います。
独身だからこそ、趣味に没頭できるし、お金も好きなことに使えます。
けれど、見栄を張ってしまう性格から、「本当に良い恋人と付き合い、その人と結婚して、ステキな子供をつくる」ことが義務であり、正解に思えて、焦ってしまう。
そういうものなのだろうな、と思いました。
チエミも私も、その固定観念にとらわれず、自分は自分だと思えるようになれれば、きっと幸せになれるのだろうな…と、思いました。難しいですけどね。
私ももっと自分に自信が持てるよう頑張ります。
それでは、さようなら。