皆さんこんにちは。
今日は本を読み終わりました。それがこちら。
- 作者: 綾辻行人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/04/15
- メディア: 文庫
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私は「卒論のため…卒論のために仕方なく読まなきゃ」と読み始めた綾辻行人作品でしたが………
グンバツに面白い。
いやまじで。こんなに面白いだなんて思ってなかった…本当に失礼ですが、想像以上の面白さ。
十角館の殺人も相当面白かったのですが、水車館の殺人もかなり予想外の展開。最後にばばばっと伏線を回収していくのも快感、犯人の動機もきちんとしている上に、予想外の展開なのに、かなり納得のいくものになっています。
本作は交通事故で顔がズタズタになり、仮面を常に付けてる男「紀一」が、めちゃくちゃ年の離れた美しい「由里絵」を妻として迎え、館の中に閉じ込めて育てるのですが…
なんだか…オペラ座の怪人みたいだ…
そう、あれは2年前。
「劇団四季めちゃくちゃいいよ!ほんまに最高だから!」
「人生で一回も見ないなんてありえない!劇団四季素晴らしいから!やばい!マジでオススメ!」
そんなある日。従姉妹が「ハッピーちゃん、劇団四季興味ない?チケットが二枚あるんだけど…行けなくなっちゃって…よかったら見に行かない?」と連絡をよこしてきました。
それもめちゃくちゃいい、前から2番目のど真ん中。
劇団四季に一度も行ったことのない父と私が見にいくことに。
感想としては、一応私も演劇をやっていたのですが、レベルは段違いでしたね。当たり前ですけど。
役者の美しい歌声。キレのあるダンス。恐ろしい怪人と美しい女性の対峙。おどろおどろしい世界観を完全に守っていました。これは確かにハマる人はハマるだろうな…すごいな…………と思っていました。思ってはいたのですが……
気分はガタ落ちでした。
えー!すっごいいい席ですっごい演劇で心動かされないなんておかしいよー!という声が聞こえてきそうです。
いや、感動はしていました。けれど、その中で心に突き刺さってることがありました。
それは、友達が部活を辞めてしまったという事実です。
私は入学してすぐに入りたい部活がないなと思い、自分で部活をつくりました。その初期メンバーとして、できたばかりの友達四人に入ってもらってました。
私は部長として会議に出たり煩雑な書類の処理に追われていました。周りのことなど気にする余裕もなく、自分じゃ片付けられないような仕事を全て一人の友達に任せていました。
そう。今考えると任せすぎていました。その友達は「全然気にしなくていいからね」と笑顔で言うのでそのまま仕事を振りまくってました。
任せるだけでなく、私は仕事が追いついてない友達にイライラしました。なんでできてないの!と強く言ったりもしました。
そうです。どうしようもなくクズです。
あー…私、部長向いてないな…いや、部長というか…人の気持ちがわからない、自分しか見えてない人間なのかもしれない…
そう思い、ただ呆然とオペラ座の怪人を見ていました。張り裂けんばかりに声を上げる女優。影を色濃く見せながら襲うように動く怪人。おぞましいその様子を見ながら、私はツゥーッと涙が滴り落ちました。
ああ、この劇、あの子と見たかったな。あの子は絶対こういう劇見たら「ここのこういうところが良かったよね」って具体的に感想を言うだろうな。「ハッピーちゃんは演劇してたから、演出とかどう思う?」とか聞いてきたりして。ああ。なんであんなに追い詰めてしまったんだろう。もっとあの子の気持ちを考えてあげればよかったな。本当バカだな。
数少ない友達を失ったことをヒシヒシと感じ、オペラ座の怪人を見ていました。せっかく素晴らしい演劇なのに、心の底から感動できない。虚しさを感じていました。
ふと、隣で見ている父をちらりと見ました。彼は爆睡していました。
…この状況で寝るか………
泣いていましたが、フフッと笑みが溢れました。こんなに素晴らしい劇を楽しめてない人が隣にもいたようです。
時間がかかるかもしれないけど、あの子と仲直りして、また旅行とか行けたらいいな。こうして劇団四季見に行ったりもしたい。
そんなふうに思いました。
その子は結局部活に再び入ることはありませんでしたが、あれから一年経って旅行にまた一緒に行けるようになりました。本当によかったです。
皆さんも友達は大切にしてください。まぁ言われなくてもするわって感じでしょうけど。笑笑
なんか本稿は感想文というかほぼ劇団四季見に行った時の思い出話になりましたが…笑
ミステリ小説って感想文書きにくいんですよね。非日常なので体験と絡めにくいのです。
しかし!どんな形であろうと私はブログ記事を書き続けるので、応援よろしくお願いします!
それでは、さようなら。