こんにちは、タカハッピーです。
今日はこんな本を読み終わりました。
それがこちら。
いやもうずっと気になっていました。カープファンとしては必読書であろう作品。
「広島カープは弱かった」
第一章はこの言葉から始まります。わかる。わかるわかる。カープは本当に弱かった。
頭が単純な私はマンマと親の洗脳に乗りました。梵、前田、嶋、永川、栗原…
中でも一番好きな選手は「新井貴浩」選手でした。本当にかっこよくて、好きで好きで応援してましたね。
「カープって弱いのに、なんで応援してるの?何がいいの?」
「負けてばかりで楽しくないじゃん。巨人を応援すればいいのに」
これは実際に言われた言葉です。
「弱いのに」なんで応援してるの?…そんなことを言われるたびに体中の血がカッとなり、足がワナワナと震えました。
なんで、って。そんなの、好きだからに決まってるじゃないか。
原爆の復興の象徴で、親会社がなくて、貧乏で、それでも勝利へ向けて一生懸命練習してるんだ。弱いから応援しないとか、そんなのおかしい。カープは私の希望だ。そんな気安く「弱いから」応援しないなんて言ってこないでほしい!!!!
そう思っていましたが、弱いのは事実。悔し涙を陰で流し、「くそ、いつかカープは優勝するんだ。今に見てろ」と思っていました。
なので、2016年に夢にもみた優勝に心から感激しました。みんなに「弱いのに」応援するのはなんで?とかって言われていたのに。
本通はお祭り騒ぎとなり、万歳をする人やハイタッチをする人で埋め尽くされました。ああ、本当に優勝したんだ、優勝、優勝…
25年ぶりの優勝でこんだけ嬉しかったのに、1975年の悲願「初優勝」はカープファンにとって筆舌に尽くしがたい喜びだっただろうと思います。
「赤ヘル1975」では、優勝パレードに学校や仕事をサボってかけつけて見に行ってる人もたくさんいました。
そりゃそうです。嬉しいに決まってます。
また、この話はただ単にカープについて語っているのではなく、「原爆」という切り口もかなり取り入れられています。
登場人物の「沢口真理子」は学校で決して平和の象徴、「千羽鶴」を折ろうとしません。「広島が嫌いだから」と無視するのです。
真理子は広島出身。え、じゃあなぜ広島が嫌いで鶴を折らないの?…主人公のマナブはそう思うのです。
理由は「原爆」にありました。
真理子「原爆には原爆医療法があって、被爆者健康手帳があれば治療費を国が出してくれるんじゃけど、ふつうの空襲にはなんにもないんよ。ぜんぶ自分で払わんといけんの」
そんなのおかしい…と真理子は思うのです。
たしかに、原爆は広島市民から全てを奪いました。家族、友達、家、未来…
けれど、それは広島市民に限った話ではありません。山口だって空襲はありました。東京だって大空襲はありましたし、そこで全てを奪われた人だっています。
よくツイッターなどで「広島にいる時はみんな原爆が落ちた日付と時間を常識のように知ってるけど、東京の人はほとんど知らない。これは危惧しないといけない」というような投稿を見ます。
…じゃああなたは東京大空襲の日付を言えるのか。
東京大空襲だけじゃない。大阪、神戸、山口だって。
そういうことだと思います。
原爆だけがずるいと言いたいのではありません。ただ、自分の身近な戦争の被害を他人に押し付けるのは少し違うのではないかと思うのです。
それぞれが戦争で辛い思いをし、苦しい思いをしている。「原爆」だけに焦点を当てるのではなく、「戦争」は絶対にしてはいけないものだと私たちは思い続けることが大事なのではないかと思いました。
「赤ヘル1975」面白かったので、ぜひ!読んでみてください!
それでは、さようなら。