幸せなら手を叩こう

思ったことを徒然なるままに

重版出来!

こんにちは、タカハッピーです。

今日、こんなドラマを見終わりました。

それがこちら。

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重版出来!」です!

友達がTwitterでめちゃくちゃ推していたので、「どんなドラマなんだろう」と手に取ったわけですが…

とてもよかった。

本当にそう思えるドラマでした。

編集者や漫画家、それぞれの立場の人が物語を作っていっている話でした。

特に印象に残ったのは、漫画家のアシスタントの沼田さんの話です。

沼田さんは漫画家になりたくて、努力しました。精一杯頑張りました。しかし、結局夢を諦め、実家に帰っていくのです。

とても胸が痛みました。まるで私のことのように感じました。

私は小学生の頃、読書感想文を先生に褒められ、漠然と「小説家になりたい」と思うようになりました。普段から空想をしたり、一人で自由帳に物語を書くのが好きでした。休み時間、外で遊ぶことよりも、一人でニヤニヤしながら自由帳に書き込んだり本を読んだりすることをしていました。

しかし、中学生の時。自信満々だった作文が打ちのめされ、次第に「小説家になる」という夢がボヤけていきました。文章を書いて生きていく。そうすることは無理なんじゃないかと現実を見つめるようになるのです。

「小説家になる」ことをほぼ諦めながらも、文章を書くことは好きでした。中学を卒業し、趣味でLINEのタイムラインに日常を書いていきました。頻度としては一ヶ月に1回くらい。自分のペースで適当にやっていました。

ある日のこと。

大学生になり、うさぎちゃんとLINEしていた時のことでした。

ハッピー「私、漫画家になってインタビューされる夢見たww私の人生漫画にしたら面白いだろうなって自意識過剰ゆえに思ってたからだろうなww」

そう、何気なく文字を打ちました。すると、こう返ってきたのです。

うさぎ「小説ならいけるんじゃない?」

小説なら…いけるんじゃ…ない?

一つ一つ文字を頭に入れていくと次のメッセージが届きました。

うさぎ「ハッピーちゃんの書く小説が読みたいなー」

ハッピー「むりむりw昔書いたこともあったけど全然かけなくてダメだったし」

うさぎ「今と昔は違うよ!ハッピーちゃんのタイムライン、面白いもの。あのノリで書いてみなよ!」

うさぎちゃんが、私の書く小説を読みたいと言ってくれたのです。

うさぎ「ハッピーちゃんの文章、すっごい読みやすい。説明が簡潔なのにわかりやすくて、引き込まれる!ハッピーちゃんの書く小説を読んでみたいな!」

そのメッセージを読むと心の中から温かい何かが滲みでてきました。自分が嬉しい、と思っていることに気が付いたのです。

そんな風に文章を具体的に褒めてもらえたことはありませんでした。「タイムライン面白いね」と言ってくれる人はいました。それだけじゃなく、「説明が簡潔」とポイントを絞って、更には小説を書くように勧めてくれたのです。

書いてみようかな。

私はパソコンを開き、ワードに文字をうちこんでいきました。

「小説家になりたい」夢が輪郭を描き、現実味を帯びていったのです。

主人公は小学生の男の子で、プールで水泳をする。水泳は好きだけど海が嫌いで、それはなんでかというと…

考えたことをそのまま打ち込んでいきました。完成したものをうさぎに読んでもらいたい。その一心でただひたすら書いていきました。

レポートに追われている時も、家族がテレビを見ている時も、パソコンと睨めっこしていました。「小説家になりたい」と思っていたのに、今までちゃんと「小説」を書いたことはありませんでした。書いてもいつも途中で飽きて辞めていました。今回は、ちゃんと書く。なんとしても「小説」を作るんだ。

そして三ヶ月が経ち…「小説」は完成しました。文字数は10000字程度。私は達成感に満ちていました。これをうさぎに読んでもらう。うさぎに読んでもらって、感想がほしい。

メールに「小説」を添付して送りつけました。その日からものすごくソワソワしました。一応書いたけど、支離滅裂な話になってないかな。「こんなもんか」と片付けられるんじゃないだろうか。ちゃんといいものと言ってもらえないんじゃないか。でも、もしかしたら褒めてもらえるかもしれない。感動とまではいかないけど、良かったと言ってもらえるんじゃないか。不安と期待が入り混じって寝ても覚めても、うさぎの返信が気になって気になって仕方がありませんでした。

一週間ほど経った日。うさぎから電話がありました。

うさぎ「すごく面白かった!びっくりした!一応公募に出しなよ!個人的に直した方がいいと思うところは添削しといたから!」

しばらくすると、メールが届きました。感想と、直した方が良いところが赤字で打ち込まれていたのです。

この時。ああ、書いて良かった。本当によかったと思いました。「すごく面白かった」と言ってもらえた。更には添削までしてくれた。なんてありがたいことなんだろう。喜びで体がふわふわと浮かんでいく心地がしました。

それからは、たくさんの人の意見が欲しかったので「小説書いたんだ」と伝えた時に「読みたい」と言ってくれた人に小説を送りつけました。友達、後輩、先輩…更にはE教授にも読んでもらい、アドバイスをいただきました。

そうして「小説」は完成しました。講談社の公募に出し、結果を待ちました。

しかし、待てど暮らせど音沙汰なく。残念ながら落選してしまったのです。

その結果を見て、私は「そりゃそうだ」と思いました。執筆期間は三ヶ月。それも初めての「小説」。次はもっともっと頑張って、いいものを書くぞー!!

と思っていました。しかし、それ以降は小説を書いていません。就活で忙しかった、授業に追われていた、などなど言い訳はたくさんあります。けれど、1番の理由はやはり「小説家になりたい」という夢は現実的じゃないんじゃないかと思い始めたことです。

読書量も大したことない、文章を書く癖もそんなにない、じゃあ自分はなんで「小説家になりたい」と思っていたんだ?と自問自答するようになったのです。

本を読むのは好きです。空想するのも好きです。フィクションには憧れていました。自分もその世界に入りたい。そう思っていました。

才能がないんじゃないか、努力するのも得意な方じゃない。私は、「小説家」になれないんじゃないか。

そう思いました。けれど、やはり憧れを消すことはできません。今でも、どんな形でもいいから自分の書く文章で仕事ができたらと思っています。

…「重版出来!」の沼田さんもきっとそうです。賞を貰ってデビューできた。「漫画家」になりたいという夢を追いかけてきた。けれど、いつまで経っても連載は持てない。「自分には才能がない」と思うようになるのです。

「諦めたらそこで試合終了ですよ」という言葉があります。ここで辞めるなんてもったいない。何年か経てば連載を持てるかもしれない。でも、断念してしまうのです。

沼田さんはその決断をするのに、とてつもなく苦く辛い思いをしたと思います。夢を叶えたくてたくさん努力して追いかけてきたのに、辞めてしまう。私なんかじゃ想像できないほどの思いを抱えていたのでしょう。

重版出来!」はただ夢を叶え、売れっ子漫画家とそれを支える編者者のドラマなのではなく、陰ながら頑張っていた人の物語でもあるのです。誰が主人公というわけではなく、一人一人にスポットが当たっているのです。

沼田さんは漫画家になれなかった。諦めてしまった。しかし、その後実家を継いで結婚するのです。漫画家として成功はできなかったけど、幸せにはなれたのではないかと思います。

全ての人に捧げられた、本当に良いドラマだと思います。

皆さんもぜひ、見てみてください!

それでは、さようなら。