そう、私はずっとこの時を待ってました。
23:58…あと2分で7月1日…
そう…あと2分で…
7月………
〜〜〜〜〜〜〜
こんにちは、タカハッピーです。
私は普段、家事をしながら音楽を聴きます。
SEKAI NO OWARI、倉橋ヨエコ、ゲスの極み乙女、King Gnu、ヨルシカ、イトヲカシ、ボカロ…
そして…
「Official髭男dism」
藤原聡さんの透き通る歌声、ポップかつ美しいメロディ、繊細な歌詞…
そう、初めてヒゲダンに出会ったのは大学4年の頃。
母がある日こう言ったのです。
「ラジオですごく綺麗な歌声が流れてていいなって思った。確か…ヒゲダンス!」
いやそれは志村けんな。
と、今ならこうツッコミますが、その時はヒゲダンのことをほとんど知ってなかったので、「ヒゲダンス…あれかな、確か今売れてる髭男みたいな名前のグループかなぁ」と漠然と思ったのです。
なんとなくそのあとも心に引っかかり、Apple Musicで「髭男」で検索。すると「Official髭男dism」がヒット。
おお!これが母の言ってたヒゲダンスか。聞いてみるぞ…
そこでPretenderをなんとなく流しました。
もっと違う設定で もっと違う関係で
出会える世界線 選べたらよかった。
もっと違う性格で もっと違う価値観で
愛を伝えられたらいいな
そう願っても無駄だから
グッバイ
……いい。
めちゃくちゃいい。
語彙力皆無なので、「いい」としか言えませんが、この歌詞が、メロディが、歌声が、グッときたのです。
そのほかもたくさん聞いてみました。「宿命」「115万キロのフィルム」「What's Going On?」「Second LINE」……
どれも私の心に染みていき、うっとりしました。こんな素晴らしい音楽があるんだ…ヒゲダンに出会えてよかった…と。嫌なことがあってもヒゲダンを聴くと、自然と前向きな気持ちになれました。どんな時にもヒゲダンの歌は私のそばに寄り添ってくれたのです。
そうして私は大学を卒業し、社会人になりました。
先ほども言いましたが、私は音楽を聴きながら家事をします。学生の頃は音楽を聴きながら勉強していたので、とにかく耳に自分の好きなものを詰め込みたくなるのでしょう。
私はほぼ毎日ヒゲダンを流し、家事をしました。仕事で失敗した日も、上司に怒られた日も、ヒゲダンを聴きながら料理を作り、皿を洗いました。そうすることで「もう今日は何もしたくない」という思いから「いや、家事をしよう!生きるために!」と行動に移せていたのです。
しかし、毎日ヒゲダンに浸かる中で、ふとこう思ったのです。
私はヒゲダンが好きだ。ファンクラブに入ってるわけでも、CDを買ったわけでもないが、毎日Apple Musicを開いて聴いている。にわかファンだけど、きっと藤原聡さんは「掴みはそれで万事OK!」と言ってくれるだろうし、これからもどんどん聴いていきたいと思う。
しかし、だ。
このままずっと聴き続けたら、ヒゲダンのこと、嫌になってしまうんじゃないか?
そう思ったのです。
私は好きな歌や気に入ったものがあると、そればかりを繰り返し聴き、飽きて嫌になるまで永遠に聴いてしまうです。
それで(一時的ではあるけど)苦手になった歌
・ハウトゥー世界征服
・有頂天
・RED
・カゲロウデイズ
・不死鳥
・夜な夜な夜な
どれも好きすぎるあまり、そればかりを一日中ぶっ続けで聞いたりしたために「もういい、お腹いっぱいです」となったのです。
大好きなヒゲダンに飽きる。
私はそのことを次第に恐れるようになります。
好きという思いが飽きに変わるのはいいことではないだろう。私はヒゲダンのこと、これからも、ずっと、永遠に好きでいたい。絶対に飽きたくない。
そうして、一つのルールを自分で作り上げました。
「6月、一ヶ月ヒゲダン禁止」
何があっても、絶対にヒゲダンは聞かない。
そう決めたのです。
6月初めは他のアーティストの曲を聴きまくって気持ちを紛らわせていました。今まで聞いたことのなかった曲も聞いたりして、家事をおこなっていました。
しかし。段々と禁断症状が出てくるのです。
ヒゲダン、ヒゲダンが聞きたい。綺麗とは傷跡がないことじゃない、傷さえ愛しいという奇跡だとさとっちゃん(vocalの藤原聡さん)は言ってるし、飽きたとしてもその傷跡を愛しく思えばいいじゃないか、あの音楽を、歌を、今ちょっとだけ聞いてみようか、いや、だめ、だめだめ、私ったら意志が弱い、さとっちゃんの言う傷跡は「飽き」ではない!!!!
ヒゲダンのない日々は、ライスのないカレーでした。そこにあるだけで毎日が華やかになる。ないと、日々がただ酷に感じ、喉が焼ける。
仕事をしていてもヒゲダンのことを考えてしまい、先輩にも相談しました。
ハッピー「○○さん、私、今ヒゲダン自粛してるんです。毎日聴きたくて聴きたくて…でも聴いたらだめだから辛くて…」
先輩「…別に聴いたらいいんじゃないでしょうか………」
たしかに。
いやまぁそれはごもっともだし、私のやってることは側からみるとアホすぎて笑いが止まらないだろう!でも!これを乗り越えられたら!私は!ヒゲダンをもっと愛せる!!
6月がすぎるのをただ願い、毎日カレンダーに印をつけました。あと、10日で7月、あと9日で7月、あと………
そうしてやってきた
「6月30日」
その日私はそわそわしてました。ずっと願っていた7月がもうそこに。
本当に長い月日だった。祝日のない6月が終わると喜ぶ友達がいる中、私はヒゲダンのない日々が終わることを喜んでいました。グッバイ。6月と私は相思相愛じゃない、疑う余地もなく愛はない。そう。今日が終わればもう……
仕事終わり、カープの試合が中止になったので録画していたお笑い番組を見ながらご飯を食べ、皿を洗い、風呂に入り…
ベットへ。イヤホンをつけ、7月1日になるのを待ちました。
あと2分で、7月1日…
あと2分…
1分…
10、9、8、7、6、5、4、3、2、1…
0
0:00の時計を見た瞬間、私は「Official髭男dism」をタップし、Pretenderを流しました。
グッバイ
君の運命の人は僕じゃない
さよならを告げられてるのに、それはまるで運命の人と会ったかのように、心を鷲掴みにされたのです。体中の血がドクドクと熱くなり、頬が赤くなっていきました。
透明感溢れる歌声が私の中を駆け巡り、今まで溜まってたイライラのようなものも溶けてなくなっていったように思えたのです。
ああ、おかえり、ヒゲダン。
やっぱりヒゲダンが大好きだ。
そばにいなくなって、本当にそう思った。
私は喜びのあまり、その日エアコンを消し忘れ、そのまま眠りにつきました。
次の日、私は役所で先輩に真っ先に報告しました。
ハッピー「○○さん!ついに7月です!私、ヒゲダンが聴けるようになりました!」
先輩「ええ、どういうこと…あ、そういえば自粛してましたね」
ハッピー「もう一ヶ月ぶりに聞けて本当に嬉しいです!よかった、本当に長い月日でした」
先輩「いやまぁ別に聞いてよかったのでは…」
まぁそうなんですけど。
でも、これを乗り越えられたから私はこれからももっとヒゲダンを愛せそうです。
ヒゲダンをオアシスとして、私は家事をし、明日の仕事を頑張っていきます。
現実ばかりに縛られなくてもいいんだよと思いながらやっていきます。
皆さんも、日々お疲れでしょうが、音楽を聴いて頑張ってください。
そう、イヤフォンつけたら一人じゃないから。
………。
それでは、さようなら。