幸せなら手を叩こう

思ったことを徒然なるままに

噛みあわない会話と、ある過去について

この人、本当に自分が悪いだなんて少しも思ってない。

悪いのはアイツだ、の一点張りだ。

「噛みあわない会話と、ある過去について」の本はそんな人物が登場する。

噛みあわない会話と、ある過去について

噛みあわない会話と、ある過去について

この本は四つの短編集だ。「パッとしない子」という話では、アイドルになって輝いてる佑と小学校時代、佑の弟の担任だった松尾の物語である。また、「早穂とゆかり」という話は小学校時代周りから疎まれていたゆかりが有名な塾長になり、同級生だった早穂がインタビューしにいく物語だ。両者ともに「自分は悪くないのにどうしてこんなにも責められなきゃいけないんだ」「なんにも悪いことしてないのに、こんなの向こうがイジメをしてるもんだ」と登場人物がイライラする。
会話がまるで噛みあってないのだ。アイドルになった佑は松尾に一生懸命思いを伝えるのに松尾は「そんなのおかしい、私はイジメをすすめたわけでも、何かしたわけでもない。悪くない」の一点張りだ。早穂なんて小学校時代からゆかりを見下し、大人になった今でも見下してるから、ゆかりに問い詰められても「私がただ目立ってたからってそんなに恨まなくても」なんて思ったりする。
私にも似たような経験がある。
このブログでは再三書いているが、中学2年生の時にある人物から裏切られた。
わが母校の人間はその人物が誰か推理しようとするかもしれないが、安心して欲しい。その人はわが中学の人間ではない。私の転校前のある人物だ。
誰か明かすのは憚れるので、その人物のことは「彼女」ということにする。性別はそのまま女かもしれないし、男かもしれない。想像にお任せする。
私は中学生の頃、とにかく息苦しかった。死ぬ方がきっと楽だと思うこともあったし、学校にも行きたくなかった。
でも、その中で「彼女」と交わした約束をずっと胸に頑張っていた。世界が私の敵だとしても、きっと「彼女」は私の味方だし、もっと頑張ろう。きっと生きてたらいいことがある。そう思って足を引きずりながら学校に行き、勉強に取り組んだ。
しかし、結局「彼女」は約束を見事に破った。ずっと信じていただけに、私はすごくすごくショックだった。「彼女」は私の味方だと思って今までなんとか頑張ってきたのに、結局はそれも口先だけで、私のことなんかはどうでもよかった。その事実があまりに重くのしかかり、本気で絶望した。
しかし、「彼女」はこのことをきっとなんとも思っていないのだと思う。
高校で「彼女」と対面し、話す機会があった。そこで私は思いっきり怒ってしまった。
「約束、破ったよね。謝って」
「約束…なんのこと?」
「彼女」はキョトンとして首を傾げるだけだった。
信じられなかった。
あれだけ何度も「約束ね」と言い合ったのに、なんなら涙も流したのに、「彼女」にとってそれはなんでもないことだった。私ばかりが本気になって信じていたことが、「彼女」にとってはとるにたらないことだったのだ。
次第に「彼女」は私が怒っていることに対して怒り始めた。「私はなんにも悪いことをしてないのにどうしてあなたはそんなに怒っているの?」と。
意味がわからない。
逆の立場だったら、絶対「彼女」も怒るはずだ。まるで私がどうでもいいことに対してキレてる短気な人間だ、と思っていそうなところに更に腹が立った。
とはいえ、私はその時怒りながらも、もしちゃんと「約束を破ってごめんね」と謝ってきたら絶対に許そうと心に決めていた。
だけど「彼女」はなぜか謝ろうとしなかった。
本気で約束が何か思い出せなかったのか、真偽はわからない。「彼女」は何事もなかったかのようにまた私と接するようになった。
私も水に流そうとした。
でも、心の奥底では「裏切ったくせに」「あなたが約束さえ守ってくれていたら」という思いが膨らんでいた。
大学になってブログを書くようになった。そこで何度か「中学2年生の時、心底信じていた人から裏切られた」と書いていた。
それを読んだのかわからないけれど、「彼女」は間接的にこう言ってきた。
「もう、私のこと許してくれない?ほら、悪いのは私じゃなくて○○だってあなたも知ってるでしょ?」
それを見て、ああ…と納得した。
この人、本当に自分が悪いって思ってないんだな、と。
ごめんの一言も言えないんだな。後悔はしてるかもしれないけど、本当に反省してなくて、私のこと感情のないロボットぐらいにしか思ってない。だから今のような状況にさせるし、こんなことが言えるんだなと。
このブログを読んでるか読んでないかはよくわからない。でもたぶんこの文章を読んでも「彼女」は「なんでそんなにあんたは怒ってるんだ。だから悪かったって何度も言ってるだろ」「それにあんただって非がある」としか思わないのだと思う。
「彼女」からその約束について「ごめん」って一度も言われたことないけど。
やっぱり、「彼女」と私は噛みあってない。
私にとって「約束」はすっごく大きなことだったけど、「彼女」にとっては全くそうではない。「彼女」はなかったことにしたいかもしれないけど、私はちゃんと謝って欲しい。思いの行き違い、過去から、「噛みあわない」状態になっているんだな。と、この本を読んで改めて感じた。
「彼女」はいつか謝ってくれるのだろうか。とりあえず今もまだ待ってる状態ではある。まぁこのブログを読んだらきっと謝るどころか怒ってインスタとかを非表示にするんだろうな、なんて思う。
まぁ謝ってくれることを期待しよう。書きながら気付いたけど、私すっごく上から目線だ。そんなんだから謝ってくれないのかもしれない。私ももう少し自分を見直して過ごした方がいいかもね。そう思った。
ぜひ、皆様もこの本を読んでください。
それでは、さようなら。